『法華口』駅 🚋
鉄道好きには馴染みがあり、ローカル電車の愛くるしい表情はたまらなくこころ揺さぶられる場と言えるのかもしれない。
ここは、北条鉄道・北条線の一画で、ただ長閑な田園風景が広がる穏やかな駅。パン屋さんとイートインスペースを兼ね備え、時にはここを起点とする登山客で賑わう。
こころ旅を生業とする私たちも、何度も訪れた場所。
列車を目当てに、カメラをひたすら構え続ける人たちを何度も見かけた。
そんな場所から少し奥まると、その長閑さとは一変。突如現れる次元を超えた異空間ともいえる佇まいに誰もが目を奪われるのではないだろうか。
一体これは、何なのだろう。。
洞窟のような見たこともない風貌に一瞬頭が固まる。
「この近くに飛行場があってね。」という言葉は、幼少時より耳にしてきた。飛行場…。その頃は、どんな飛行場か見当もつかず、そうなんだ…とただ頷いていた。
立ち往生していると、そんなほんの微かな記憶が蘇ってくる。
まさかなぁ…なんだか静けさも感じる。
その風貌は、簡単に見てはいけないような威圧感があり、周囲に溶け込むも何とも近寄りがたい異様な空気感を醸し出しているのだ。
目を凝らしながらぐるぐる記憶を手繰り寄せようとするも、明確な答えは見付からずにいた。
そこからほんの数分後。そんな記憶はやはりへ…
唖然と立ちすくむも、何だかなぁ…。ひとり呟く。何故なのか歴史嫌いで赤点を取るほどの私が、近ごろ、行く先々で世代を超える光景にぶつかるのだ。
ふと、あの日の出来事が頭を過る。
戦艦…大和。、、。この前聞いたな・・
(呉市にて撮影:こころ旅平和編 番外編・牡蠣をもとめて…呉参照)
第二次世界大戦の激化と共に編成された『白鷺隊:はくろたい』の飛行機操縦訓練場。「鶉野飛行場」滑走路は、今やまるで観光地のごとく地域に溶け込んでいる。それは、まさしく『神風特攻隊』の一員として、宇佐待機基地を経て「九七式」「天山」などの戦闘機と共に、魚雷を抱え桜の花がごとく散っていった隊員たちの故郷のひとつと言える。
「日本はもう勝てないよ…」そんな言葉を発しながらも戦艦大和を尻目に突撃し続ける青年たちは、どんな未来を夢見ていたのだろうか。(いのちの尊さと平和を考える旅2日目参照/知覧特攻・鹿屋特攻他)
さっきのは、防空壕なんだ…込み上げる胸の熱さを感じながらも、これが現実にあった出来事なのだと目を背けてはいけない光景に、身が引き締まる思いを感じる。
資料館には、多くの若い特攻隊員たちの出撃前の寄せ書き・家族の想いが残され、周囲には、防空壕他・対空機銃座・爆弾庫跡などが散りばめられていた。
原爆投下に向けただ刻々と日々は流れ、後戻りすることない時間を過ごしてきた人たちの尊い想いは計り知れない。
今、時代は流れ、世の中で同じく起こっている惨状は今後の世界を大きく変える出来事とも言える。
戦争って何なのだろう…戦争以外にも、様々な事件・争いは後を絶たない。
どんな形であれ、人をあやめながら暴走し続ける事にどんな意味があるのか…自己防衛の積み重ねといえる今の現状はパンクしつつあると言えるのではないか。その見えない背景をしっかり受け止め、改めて見直し続けることが新しい未来の始まりなのかもしれない。
鶉野飛行場跡 | かさい観光ナビ (kanko-kasai.com)
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こころ旅平和編・番外編 限りある命とは…